ハードボイルド西へ 2
2008.05.25(16:17)
俺だ。ボギーだ。そそくさと記事をアップすると俺は家を飛び出した。
もうすでに10分が経過した。新幹線の時間まであと30分しかねえ。
駅まで10分、地下鉄で新横浜まで10分、残りの10分で切符買って乗らなきゃいかん。
ちょいキツイがなんとかなりそうだ。俺は走った。
階段をかけ上るとすでに目指す新幹線は発車寸前だった。
最も近いドアへ駆け込む。間一髪間に合った。
『出発間際の駆け込み乗車は非常に危険で…』車内放送が流れる。
あ、俺のことか?
うるせえ、今はそれどころではない!
とりあえず近くのドアから飛び込んだが、ここは指定席車両だ。
俺は自由席車両へと移動していった。
車内は6〜7割の席が埋まっている。
これまでの経験から指定席でこれだけ埋まっていれば、
自由席はほぼ満席と考えてよいだろう。
3時間も立っていくのはヤだ。
案の定自由席はほぼ満席だったが、運よく空いている席を見つけ腰をおろした。
3人掛けの真ん中の席だ。窮屈だが贅沢は言っていられない。
通路側には中年サラリーマン、窓側には20代半ばのプリンちゃん似のお嬢さん。
ヤベッ、ストライクだ。
車内販売のワゴンからコーヒーを2つ買うと、
その一つを俺はお嬢さんに差し出してこう言った。
「君の瞳に乾杯!」
なんてことはしない。
なぜなら、あと先考えずに家を飛び出した俺は、
Tシャツに短パンそしてサンダル。
あろうことかTシャツは ハロプロだ。
存在自体がいかがわしいことこの上ない。
ひと息つくと、ようやく俺は現実に向き合った。
本当は家を出る前に向き合うべきだったにちがいないが、
あえて向き合わず家を飛び出しここまで来てしまった。
一体俺はどこへ行くのだ?
岡山までの切符は買った。
自ら『何でもパクる』と公言してはばからない
7人兄弟のボスに君臨する岡山在住スタレビ狂いの毒舌主婦本名HIROMIから
パクリの秘訣を聞き出すと勢い込んでみたものの、肝心の
自ら『何でもパクる』と公言してはばからない
7人兄弟のボスに君臨する岡山在住スタレビ狂いの毒舌主婦本名HIROMI…
ええい、めんどくせえ!略して『パクリ大王』だ!
そのパクリ大王が岡山の一体どこにいるのか当然ながら知っているはずもない。
すでに右側には富士山が見える、次の停車駅は名古屋だ。
もはや後戻りはできない。
行ったことはないが、岡山と言ってもきっと広いにちがいない。
いや仮に狭かったとしても、これだけの情報で見つけることができるのか?
できそうだ…。
20Wぐらいの弱々しい電球が、それも一瞬だけ光ったような光らないような…。
岡山といえど、7人兄弟がウジャウジャいるとは思えない。
おまけにブログで読む限り、兄弟は皆、一癖も二癖もありそうだ。
ってことはこれだけでかなり限定されるじゃん。
おまけにスタレビ狂いで、本名HIROMI。
これを頼りに、聞き込みをすればいい。
今では100Wの電球がそれみたことかと光り輝いている。
完璧だ!
討ちとったり、パクリ大王!!
俺の高笑いが車両内に響き渡った。
左隣のお嬢さんが心もち俺に背を向けたような気がした。
岡山駅に降り立つと、俺は早速行動を開始した。
駅構内の土産物店が並ぶ一角に足を運んだ。
「きびだんご一箱!」
土産物は着いたらすぐに買っとかないとな。帰りだと忘れるから。
ついでにきびだんごの絵のついたキャップも買った。
さてと、聞き込み開始だ。
時刻は午後2時半を少しまわったところ。
あまりボケボケ時間をつぶすわけにもいかない。
俺は通りすがる人に片っ端から声をかけた。
『7人兄弟知りませんかー?』
『スタレビ狂いの毒舌主婦知りませんかー?』
500人余りに聞きまわったがまったく手掛かりはない。
心なしか人の流れが俺を避けているような気がしないでもない。
俺の周りには常に不自然な空間ができている。
もしかしてこの格好がいけないのか?
今はハロプロTシャツ、短パン、サンダルに加え、
土産物袋を提げ、きびだんごキャップをかぶっている。
いっそう怪しくなったかもしれん。
もう少しましな格好でなくては聞き込みもまかりならん。
やっぱりハードボイルドじゃないと調子出ねえな…。
買うか?
しかし俺はこの馬鹿げた思いつきを即座に打ち消した。
あと先考えず新幹線に飛び乗り岡山くんだりまで来てしまったことだけで、
十分すぎるほど馬鹿げている。それだけではあきたらず、
さらにハードボイルドファッション一式買い揃えようというのか!?
アホだ…。そこまでしたら完全無欠のアホだ。
俺の最後の自制心が俺自身を思いとどまらせた。
すでに陽は落ちていた。
俺は決意した。
帰ろう。
これ以上傷が深くならないうちに。
今なら、失ったものはまだ往復の新幹線代と土産だけだ。
まだ、間に合う。
この段階ならまだ社会復帰できる。
俺は結局岡山駅を一歩も出ることなく、
初めて足を踏み入れた岡山を離れようとしていた。
さらば岡山よ。もうたぶん二度と来ない…だろう。
帰りの新幹線の中で、俺は自問自答した。
俺はなぜこんなところにいるんだ。
いやここまでの行程を覚えていないわけではない。
何が俺をここまで突き動かしたのかがわからない。
きっと暇だったんだな。
と考える間もなく実際には俺は眠りに落ちていた。
目を覚ますと東京駅に着いていた。
寝過した!
しかし今日の馬鹿げた一日を思えば、今更この程度では動じない。
すでに下りの新幹線は終わっている。折り返して戻ることはできない。
仕方なく在来線を乗り継いで家へと帰った。
家に着くと深夜1時を過ぎていた。
倒れこむように眠りについた俺は、昼を過ぎるまで眠り続けた。
また会おう。
念のために言っとくが、これは完全なフィクションだ。ネタ切れ含めてすべてがな。ドン引きされると困るのであらかじめ言っておく。一応、リアリティを持たせるために、昨日の朝以来コメントも返していない。わりい、コメント返しが遅いのはそういうわけだ。
↓ ↓ ↓ ↓ よろしくおねがいします。










