実は小心者だったことに気づいたハードボイルド

2008.01.30(19:47)
俺だ。ボギーだ。

今日、俺は信託銀行ってやつに行った。ちょっと1億ばかり投資する気分でな。
それは気分だけの話で、実際は最後の砦とも言うべき定期預金を解約しなくては
ならない状況に陥ったからだ。

しかし俺はハードボイルド、颯爽と店内に入って行ったね。そして案内係に声をかける。
「キミ、一億ばかり投資したいんだが。」
((「すみませーん。定期預金を解約したいんですけど…。」))

「かしこまりましたお客様。ではこちらへどうぞ。」俺は奥の別室へと案内された。
((「じゃあ、この番号札を持ってあそこでお待ちください。」長椅子を指さされた。))

支店長とおぼしき人物がすぐに現れ、さっそく本題へと入った。
((いったいいつまで待たせるんだよぉ。わあ、NHKの体操始ったよ。もう閉店じゃん!))

中略

閉店にも負けず、ようやく現金を手にして店を出た俺は、あることに気づいた。
これまでにない感覚が身体全体を支配している。

ビビッてんじゃん。

これまで大金を手にしたことのない俺は、束になった(一つだけど)現金を
手にした途端ビビった。そして舞い上がった。ビビリと太っ腹感が交互に訪れ、
しばし虚脱感に襲われた。もし周りに人がいたならば、通報されていたであろう
状態であったことは想像に難くない。

またまた中略

正気に戻った俺は、どうしたものだろうと考えた。こんな現金を持ち歩いていたら
暴漢に襲われるかもしれない。いやいやそれ以上に怖いのは、突如として
再び太っ腹感に支配され、『パァっと使っちまえ!』なんて気になったとしたら。
破滅する…。
ああ、自分が怖い!敵は己の内にあり!そうならないためにも再び銀行に預けよう。

ん?俺はハードボイルドだったはずでは?
いや、背に腹は代えられん。この例えが適当かどうかはともかく、
足は300m先にある俺のメインバンク(こんな時にカッコつけんでいい!)に向いた。

長い長い300mだった。そして長い長い5分間だった。途中で何度も後ろを振り返り、
追手のないことを確認し、左胸の内ポケットにしのばせた現金封筒を何度も確かめ、
身も心もヘロヘロになって銀行へとたどり着いた。

ATMに飲み込まれてゆく現金を見ながら、俺は安堵感と達成感に浸っていた。

再び銀行に預けるくらいなら、なぜ今日わざわざ解約しなくてはならなかったのか?
今の俺にはわからない。そう思い立った時の俺に聞いてくれ。

また会おう。


≪おっとお帰りはこちらだ。最初は誰でも怖いもんだ。さ、勇気をだして≫
  ↓ ↓ ↓


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