バブリーな休日

2008.06.22(09:35)
俺だ。ボギーだ。

ドアをロックすると俺は目的地へと歩き始めた。
そこまでは5分ほど歩かなくてはならない。

道すがら思った。
全く因果な仕事だな…。
待ちに待った休日がたった一本の電話でパアだ。

土曜の朝9時前後は最も緊張する時間帯だ。
ここで電話が鳴るか否かが天国と地獄の分かれ目だ。
そしてこの日は、言うまでもない。

電話を受けて即効で家を出た。
今はすでに正午を回っている。
よりによってこんな遠くかよ。
思わずため息をついた。

とっととやっつけるはずだった仕事は思いのほか手こずった。
終えた時には、すでに晩飯時になっていた。
おまけに外はどしゃ降りだった。
見かねたクライアントが最寄駅まで送ると言ってくれた。

疲れ果てた一週間。
それに加えて突然飛び込んだおまけの一日仕事。
俺は好意に甘えることにした。
しかし何かがおかしい気がした。

駅に着いた。
時刻表を見ると、1時間に2本しかない電車の到着まで3分だ。
ホームに立つと、ほどなく2両編成の電車が入ってきた。
土曜のこの時間は、乗客も少ない。

ボックス席に腰をおろした。一人で対面4人分を占領できた。
『まさにグッドタイミングってやつだったな。せめてこのぐらいの幸運はないとな。』
明日は日曜だ。さすがに電話もかかってはこないはずだ。
長い長い一週間だったが、ようやく終わったようだ。
一週間の緊張が瞬く間に解けていく、至福のひと時を味わっていた。
しかし、やはり何かがおかしい気がした。

途中、乗り換え駅で晩飯を済ませ、―3時間ほどかかったのだが―、
家を目前にしたその時だった。
俺は異変に気がついた。
ふと目をやると、駐車場の、本来俺の車があるべきはずのところに車がない。
俺は一瞬何が起こったのかわからなかった。
「盗まれたか!」
体の中を一気にアドレナリンが駆け巡った。

が、次の瞬間、全てを悟った。

俺は今朝、車で出かけた。
そして俺は電車で帰ってきている。
何度考えても間違いはない。

置き去りピョン♪

明日はゆっくり休もうという夢は、泡のように消えた。

また会おう。

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