痛え!ハードボイルド
2008.05.12(18:08)
俺だ。ボギーだ。真夜中、俺は痛みで目が覚めた。
「痛っ!」
え、どこが痛いんだ!?
足か?
左膝だ!!
腹ならわかるが、寝てる時に膝が痛いって何だ?
膝の皿のあたりが激しく痛む。
ぶつけるようなところもないし、わけわからん。
でも痛い。するどく痛い。
ひょっとしてプリンちゃんか?
周りを見回すが、今晩は来ていないようだ。
プリンちゃんってのは、5年ほど前から夜中に限って、
ビキニ姿で枕元に登場する、BQB(=ボンッ!・キュッ!・ボンッ!)の茶髪のお嬢さんだ。
登場のたびごとに着ているビキニは変わるが、足元は視認不能。
どうやらプリンちゃんのせいではないらしい。
じゃあ何だ?
何でもいいけど痛え!
10分ほど左膝を抱えながらのうんうん唸っていると、
『ハ〜イ!』
バカっぽいご挨拶、プリンちゃんが登場した。
チラッと目をやると、今日はレモン色のビキニだ。
首にはバニーちゃんのように赤い蝶ネクタイをつけている。
今日はポイント高いぞ。
だが、今はそれどころじゃねえ!
俺はすがるような目でプリンちゃんを見た。
するとプリンちゃんは
『ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ピザ、痛いのどーこだ?』
と素っ頓狂な高い声でノー天気に言い放ち、自分の肘を指さした。
「膝だ!!!」
「それに『ピザ』は俺に言わせなきゃ意味ねーだろ!」
俺は振り絞るように言い返した。
『ゲッツ!』
そう言い残すとプリンちゃんは尻から壁の中へと消えていった。
上下動のない滑るような移動。さすがだ…。
しかし、まったく人の痛みがわからねえ奴だ。
おまけにギャグが古いんだよ!
まあ、境遇を考えれば、両方とも仕方がないちゃ仕方がないんだが…。
朝になった。
まだ痛みは治まらない。
それでも安静にしていれば、いくらかマシにはなった。
しかし、完全に伸ばす、あるいは深く曲げる、これができない。
そのたびに鋭い痛みが走る。
俺は考えた。
こんな奇妙な痛みはこれまで経験したことがない。
真夜中寝ている最中に、膝が激しく痛みだすなんてことは、
俺の辞書(本棚にある『良い子の医学』)にはない。
なぜだ?
トシか? そんなことがあるはずは…いやあってほしくない。
タタリか? 祟られるようなことした覚えもない。
困ったぞ。
ムフッ。
この痛みはなんとかせにゃいかん。
ムフフフフッ。
困った困ったとつぶやきながら、
顔には笑みが広がっていった…はずだ。
とうとう狂ったか、ボギー!?
そう思うのは素人さんのナントカだ。。
ハードボイルドのお歴々には古傷、持病を持ったものが少なくない。
そもそもハードボイルドってのは危険を伴う商売だ。 ホント?
身の危険に直面することも多い。 ソウナノカ?
そんな時、お歴々の古傷や持病は突如不調を訴えて危険を知らせてくれるんだ。
まあ、一種の危険センサーだな。
だがそんな技を身につけるためには、まず古傷・持病がなければお話にならない。
それも胃腸系ではダメだ。
危険を察知したはいいがトイレに駆け込まなければならないのでは、
カッコ悪い上に、まるで役に立たない。
だから膝の痛みなんてのは最高なのさ。
あとは危険に陥りそうになった時に、
ちゃんと適度に疼いてくれるかどうかだな。
そのためにはひたすら練習あるのみだ。
これで『ハードボイルド3級』になれる日も近いな。
その後、俺は妄想の世界へと旅立った。
妄想が妄想を呼び、
我に帰った時、俺はロンドンまで行っていた。
…。
さあてと、アホなこと考えてねえで、お医者様行こっと。
また会おう。
↓ ポチしてくれると痛みが和らぐ、かもしれない。










