すでに帰っているハードボイルド
2008.02.21(00:23)
俺だ。ボギーだ。なぜ俺はここにいるんだ!?
なぜ俺は今この時間にねぐらでブログを書いてるんだ!?
今晩、ブログはボギにまかせて、朝まで帰らないはずだった。
おかしい。絶対におかしい!!
今晩、俺は『据え膳を食える』はずだった。
スキップして出ていったかどうかは別として、
確かに俺はルンルン気分で出て行った。
予定では今頃、
『わくわくドキドキの二人の愛ランド、朝までノンストップ状態』
だったはずだ。
『据え膳を食う』はずが、
なぜ『上げ膳下げ膳のお手伝い』をして、
2,100円もらって帰ってくるはめになったんだ?
わからねえ…。
同情するならポチをくれ。(このフレーズ、以前使った気がするが…)
また会おう。
← これだけでもたのむ ハードボイルド、闇を走る
2008.02.21(20:01)
俺だ。ボギーだ。俺は人目を避けるため、ビルとビルの隙間を選んで進んでいた。
とっくに陽は落ちている。狭い隙間を照らすものはなにもない。
闇の中、俺の右足は放置されていたバケツを蹴とばした。
『マズイ!気づかれる。』
俺は本能的に身を固くして、息をひそめた。
人が出てくる気配はない。
俺は再びゆっくりと進み始めた。
『畜生!なぜ今日に限ってコートがないんだ!
コートさえあれば、こんなことにはならずに済んだはずだ!』
俺は、自分自身の愚かさに悪態をついていた。
油断だった。今日は朝から、珍しく暖かな陽射しが街を覆っていた。
トレードマークのトレンチコートを持たずに俺はねぐらを出た。
ハードボイルドにあるまじき失敗だった。
しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。
なんとしてでもこの危機から逃れなければならない。
俺は後ろを気にしながら進んで行った。
視界が開けた。路地へと出た。
ビルの隙間から顔を出して様子をうかがう。
飲み屋の看板が立ち並んでいるが、幸いなことに人通りは少ない。
路地の向こう側に、おあつらえ向きの隙間を見つけた。
距離約10m。走れば2〜3秒だ。
しかし頭の悪そうなカップルがこちらへ向かってくる。
今出ればこいつらの目の前を横切ることになる。
俺はバカップルをやり過ごすことにした。
ビルの窪みに身をひそめ、息を押し殺した。
30秒が過ぎ1分が過ぎた。
通り過ぎた気配はない。変だ。
俺はゆっくりと窪みから出ると、通りをうかがった。
バカップルは俺が潜んでいる隙間の
すぐ脇にもたれてチュッチュの真っ最中だった。
このバカどもめ!
仕方がない。俺は待つことにした。
5分ほど経っただろうか、ようやくバカチュッチュどもは
飽きたらしくその場を立ち去った。
再び外の様子をうかがった。
よし大丈夫だ。
俺は一気に路地を横切り、次の闇へと姿を隠した。
『あとワンブロックだ。そこまでいけばなんとかなる。』
俺は自分に言い聞かせた。
俺はビルの隙間を走った。
もう少しだ。
そして大通りまでたどり着いた。
片側2車線づつの道を、大量の車が行きかっている。
その手前には10mほどの歩道。
この歩道を横切ってタクシーに乗り込めば一安心だ。
しかし、この歩道が一番の難関だ。
横切る幅が広いのはもちろんだが人通りも多い。
そして路地とは比べものにならないくらい多くのライトに照らされている。
闇の中をたどって来た俺には、気が遠くなるほど明るく思えた。
見つからずに横切れるだろうか?
その時、突然人通りが途絶えた。
同時に一台のタクシーが向かってくるのが見えた。
俺は心を決めた。
左手を上げながらビルの隙間から飛び出し歩道を走って横切った。
タクシーが急停車しドアが開いた。
俺は躊躇なくシートへと滑りこんだ。
ただならぬ気配を感じ取った運転手は、
タイヤをきしませて車を急発進させた。
俺は早口で俺のねぐらを伝えた。
『終わった…、もう大丈夫だ。』
俺ははりつめていた緊張から一気に解放された。
『安物買いはもうよそう。』
俺はパックリ裂けたズボンの尻を触りながらそう思った。
裂けたズボンを見られないために、ビルの隙間をコソコソ動くのはもうまっぴらだ。
また会おう。
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